2016年4月2日土曜日

ヤフー絵巻

「ヤフー」と「絵巻」とは、さすがに簡単に繋がらない。しかしながら、そこへYahoo Japanが設立20週年の行事として、オリジナル絵巻が作成され公開されたとの記事を読んで、意外と思い、さっそく開いて覗いた。さすがに会社の規模や文化的な蘊蓄にふさわしく、丁寧に制作されていて、じっくりあっちこっちとクリックして、楽しい。

絵巻には間違いないが、作品としては特別にこの言葉を出しているわけではなく、従って絵巻の枠組みに拘る姿勢も最初からない。まずは作品全体は左から右へと展開しているものだ。画像のスタイルも、色の使い方も、文字の描き方も、どれを取ってみても、アメリカ発祥の技術、そして会社からにして自然なこととして、西洋的な雰囲気を前面に押し出している。内容の設定は、あくまでも単純にして最小限の情報にとどまり、物事の名前と時間軸との対応のみに集中し、それぞれの物事にリンクを添えるようなことさえしなかった。読者と作品とのインタラクティブな交流の方法としても、小さな窓を開き、時間軸に添って前後に動かすことしか用意しなかった。ただ当然ながら、ビジュアル表現という方法を取った以上、これに伴う工夫は要求され、「Wikipedia」を分厚い本、「2ちゃんねる」を屏風とするなど、考えさせる要素は数多く隠されている。

あれはいつごろのことだったのだろうか、短い日本訪問のおり、街角でヤフーがモデムを無料配布しているとの光景を目にして、はたしてどのようなサービスを提供されているものやら、とても不思議に思い、かつそれとは最初から無縁だと残念に思った記憶はいまでも脳裏にある。あれははたしてどのようなサービスだったのだろうか。目の前の絵巻からはついに探しだすことができなかった。

インターネットの歴史

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