2018年9月22日土曜日

ノン・ヒューマン

週末にかけて、とても有意義な集まりに参加するために出かけてきた。言ってみれば、規模ある研究組織の年次大会のようなものではなく、熱心な研究者の一人が、自身の持つ関心を中心に、精力的に方々に声をかけて実現した一回のみの集会なのだ。そのテーマとは、ずばり「ノン・ヒューマン」。プログラムを一読して分かるように、じつに錚々たる顔ぶれなのだ。

交わされた話題は、古典文学どころか、文学という枠組みさえ縛ることができない。現代芸術や舞台演劇など、じつに多種多様だ。まだ初日しか経験していないが、ふだんの読書や会話ではほとんどまったく接点を持たないところに、大きな魅力が隠されている。それでも目を見張るものばかりだ。現代ダンスと思ったら、鉄の棒に仕掛けをかけて躍らせて自爆させたり、人間の俳優を心拍数で倒れさせたりした舞台のハイライトを見て、驚かされた。若い研究者の発表には、小林エリカから、円城塔、飛浩隆など、未知の世界がつぎからつぎへと飛び出した。作者名からどこか突拍子のない作品にはつい敬遠し、思わず読者とはどのような人かと質問してしまったが、現代文学好きなら、まず読んでいるはずと、きっぱりと答えられて、感心させられた。

自分の発表は明日の午前に予定されていうる。主催者にはなんとなく会話をしたが、まじめな質問をまだ聴けずにいる。はたして大会テーマの日本語訳には、どの言葉を当てるのだろうか。さすがに「異類」だと大きな声で言い切る自信がない。室町の語彙だと、逆に敬遠されるに決まっている。基調講演の方の一人は、「人外」と用いている。既存の語彙を使わないというのも一つの対応だろう。考えを巡らしているところだ

The Nonhuman: Spirits, Animals, Technology

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