2021年9月4日土曜日

Kindle本

前回書いた御伽草紙『猫のさうし』の現代語訳、一通り作成して、短い紹介、四つの章に対するメモ、それに原文、朗読動画やこれまでのブログ記事へのリンクなどを添えて一冊にまとめ、『猫と鼠の世にも奇妙な大論争』と題してキンドル出版に出した。

中世の物語をいまの読者に伝えるために、さまざまな形で作品そのものを提供しなければならないとつねづね思っている。そのため、音声、動画、変体仮名読解など、思いつく方法を試みてきた。御伽草紙の作品群は、ほとんど仮名のみで書かれ、そのままで読むのはかなりの専門性が要求され、本文を現代語に変えておくことは必要だ。一方では、単なる現代語訳は、紙媒体の出版物に採用される機会はさほどない。それならば、Kindle本は一つの選択となる。在来の出版物と並んでアマゾンサイトで提供され、読む気さえあれば気軽に、快適にアクセスできる。アマゾンが一か月無料などの形で積極的に進めている「読み放題」のサービスも心強い。

あとはどこまで潜在的な読者に届けられるかにかかる。そのためには、フェースブック、ツイッター、インスタグラムなどで発信を試みている。いまのところ十分な手ごたえが得られるには至らないが、しばらくは模索を続けたい。

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